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解雇(クビ)になったら給料は? 解雇予告手当との違いとは

2023年02月20日
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解雇(クビ)になったら給料は? 解雇予告手当との違いとは

神奈川労働市場月報によると、神奈川県内における令和4年12月の月間有効求人倍率は0.91倍でした。有効求職者数は98968人で、前年同月比で8.2%の減少となっています。

会社を解雇されてしまった場合、今後の収入はどうなるのか、解雇後の生活を考えると非常に重要な問題です。解雇後の賃金については、解雇が適法になされたものなのか、それとも不当解雇にあたるのかによって取り扱いが異なります。このようなお悩みをお持ちの方は一度弁護士にご相談のうえで、会社に対して適切な対応をとっていきましょう。

この記事では、解雇時の給料の取り扱いや、不当解雇に遭った場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所 横須賀オフィスの弁護士が解説します。

1、解雇(クビ)になった場合の給料の取り扱い

使用者が労働者を解雇した場合、解雇前後の給料の取り扱いは、解雇が適法か違法かによって以下のとおり異なります。

  1. (1)適法な解雇の場合、給料が発生するのは解雇日当日まで

    解雇が適法である場合、解雇日をもって労働契約は終了します。

    給料は労働契約に基づき労働を行った対価として、使用者から労働者に払われるものでありますが、解雇によって労働契約が終了した後は労働をすることがありませんので、その対価である賃金も発生しなくなります。
    したがって、適法な解雇のケースでは、給料が発生するのは解雇日当日までということになります

    ただし後述するように、解雇を予告された日から解雇日までの期間の長さによっては、解雇予告手当というものが発生する場合があります。

  2. (2)不当解雇の場合、解雇日以降も給料全額が発生する

    これに対して、違法・無効な不当解雇の場合には、使用者側からの一方的な解雇通告があったとしても、労働契約は終了しません。

    解雇日以降、使用者のために労働者が実際に働くことはなくなりますが、それは不当解雇という使用者側の責に帰すべき事由によるものです。このような使用者側の不当な行為が原因で労働ができなくなった場合に、労働者が賃金を請求できなくなることは不公平といえます。
    そこで、解雇が不当解雇に当たる場合には、労働者が就労の意思を喪失していない限りは、たとえ労働者が現実に労働を提供していなくても、解雇日以降復職まで(あるいは和解による合意退職の日まで)、使用者は労働者に対して給料全額を支払う義務を負います(民法第536条第2項)。

2、解雇予告手当が支払われると、不当解雇にならない?

解雇予告手当とは、労基法20条1項によって定められた、企業が30日以上前の解雇予告を経ずに従業員を解雇するときに支払うべきお金です。労働者からすると、ある日突然解雇を言い渡され、その日以降給与の支給がなくなるとすれば今後の生活に困窮してしまいます。そこで、労基法は、使用者が労働者を解雇をする場合には、一定の場合を除いて、1か月以上前に解雇を予告するか、又は、解雇予告手当を支払わなければならないことと定めています。

解雇に関する法規制に関連して、「解雇予告手当を支払えば、不当解雇に当たることはない」と勘違いしている方がたまにいらっしゃいます。

しかし、解雇予告手当に関するルールは、解雇が適法なものであっても、会社が従わなくてはならないルールであり、違法無効な解雇を有効にするものではありません
したがって、解雇予告手当を支払ったからといって、解雇が適法になるわけではない点に注意しましょう。

  1. (1)そもそも解雇の要件は? 安易な解雇は違法・無効

    解雇には一般に「懲戒解雇」「整理解雇」「普通解雇」の3種類がありますが、いずれにせよ、その(懲戒)解雇が、労働契約法16条(懲戒に関しては15条)に反しないことが必要となります。

    (懲戒)
    第十五条 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
    (解雇)
    第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。


    これら条文は、解雇権(懲戒権)濫用法理といわれる判例の考え方を明文化したものであり、(懲戒)解雇処分が①客観的に合理的な理由を欠く場合②社会通念上相当と認められない場合には懲戒処分の効力を無効とするものです。

    具体的には、形式的に就業規則で定められた、懲戒事由や解雇事由に該当する場合であっても、直ちに解雇できるわけではなく。解雇理由とされている労働者の行為や事情が、「解雇やむなし」と評価できる程度に悪質または深刻といえる必要があることになります。
    たとえば、1回遅刻しただけで、懲戒解雇というきわめて重い処分を課すことは許されないでしょう。
    どの程度であれば、解雇やむなしといえるかは、個別具体的なケース毎の判断となりますので、一概に決めることはできませんが、これまでの裁判例からすると、安易に認められるものではありません

  2. (2)解雇予告手当とは?

    解雇が無効なものであれば、上述した通り、労働者が労働できないのは、使用者の「不当解雇」という責めに帰すべき事由によるものですから、解雇は無効であり、労働者の賃金請求権も消滅しません(賃金を請求できます)

    他方で、解雇が有効となってしまった場合はどうでしょうか。この場合も使用者には、「解雇予告期間」と「解雇予告手当」というルールが定められています。

    使用者が労働者を解雇しようとする場合、原則として以下のいずれかの対応をとる必要があります(労働基準法第20条第1項、第2項)

    • 30日以上前に、解雇の予告をする(解雇予告期間)
    • 30日分以上の平均賃金を支払って、即時解雇する(解雇予告手当)
    • 解雇予告期間と解雇予告手当の日数を合計30日以上確保する(併用型)


    労働者の立場からすると、いきなり「明日から来なくてよい」と言われて仕事を失ってしまうと、次の仕事を探す時間がありませんし、給料も途絶えて生活に支障が生じるおそれがあります。
    そのため、解雇予告期間または解雇予告手当を確保することで、労働者の生活保障が図られているのです。

    なお、以下の場合には解雇予告・解雇予告手当が不要とされていますが、労働基準監督署長の認定を受けることが必要となります(同条第1項但し書き、第3項、第19条第2項)。

    • 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
    • 労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合
  3. (3)解雇予告手当が支払われても、不当解雇に当たる場合がある

    解雇予告を行い、または解雇予告手当を支払うことは、使用者が解雇を行う際、当然に必要となる手続きに過ぎません。

    仮に解雇予告・解雇予告手当の支払いが行われたとしても、前述の解雇要件を満たしていなければ、解雇は違法・無効となります。

3、不当解雇に遭ってしまった場合の対処法

もし使用者から不当解雇されてしまった場合、交渉・労働審判・訴訟などを通じて、会社に対して以下の主張を行いましょう。

  1. (1)解雇の無効・復職を主張する

    前述のとおり、解雇要件を満たさない解雇は違法・無効です。

    違法・無効な不当解雇によっては、労働契約は終了しません。
    そのため、会社に対して復職を主張することができます。

  2. (2)解雇期間中の賃金全額を請求する

    前述のとおり、不当解雇が行われた場合には、解雇日以降の給料が全額発生します。

    会社が支払ってくれない場合には、労働審判や訴訟を通じて、解雇日以降の賃金を請求していくことになります。審判や訴訟で争っている期間も賃金は発生していきますから、不当解雇に関する争いが長引けば長引くほど、未払いの給料がどんどん増えていき、会社にとってのプレッシャーも大きくなるでしょう。

  3. (3)未払い残業代も一括で請求する

    解雇される前の残業代が未払いとなっている場合には、この機会に会社に対して全額を請求しましょう。

    解雇によって職場に立ち入ることができず、タイムカードなどを参照することが難しい場合でも、交通系ICカードの乗車履歴や勤務に関するメモなど、残業の証拠として用いることができるものは他にもあります
    残業代の計算や請求の方法などについては、弁護士にご相談ください。

  4. (4)上乗せ退職金などを条件に和解することも有力な選択肢

    不当解雇に関するトラブルが深刻化すると、会社としても多大な時間・労力・費用を要します。
    そのため、一定の上乗せ退職金を支給することを条件として、合意退職による和解を求めるなどの対応をとることも多いです。

    労働者としても、労働審判や訴訟で徹底的に争う選択肢もある一方で、早期に解決して次の職場を探すという方針が合理的といえる場合も多々あります
    会社から提示される和解条件が納得できるものであれば、合意退職に応じてしまうことも有力な選択肢になるでしょう。

    和解条件についての相場観が分からない場合には、弁護士にアドバイスを求めることをお勧めいたします。

4、不当解雇の被害は弁護士に相談を

会社から不当解雇された場合、法的な根拠に則った適切な主張を行って争うことで、労働者側に有利な解決を得られる可能性が高まります。
そのため、不当解雇への対応は、弁護士に依頼することをお勧めします。

弁護士は、解雇無効の主張および解雇期間中の賃金請求(場合によっては解雇予告手当の請求)、未払い残業代の支払いなど、会社に対してどのような請求が行えるか網羅的に検討したうえで、依頼者の代わりに会社と交渉を行います。
弁護士に依頼することで、法的に妥当な解決を早期に実現できる可能性が高まるほか、交渉に臨む準備の手間や、精神的なストレスも大きく軽減されます

会社から不当解雇されてしまった方は、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

解雇時の給料は、適法な解雇であれば解雇日当日でストップしますが、不当解雇の場合は解雇日以降も全額発生します。
もし不当解雇の被害に遭った場合には、早期に弁護士へご相談のうえで、会社からの解雇に対してどのように対応していくか検討しましょう。

ベリーベスト法律事務所は、不当解雇による労働者軽視を許さず、会社に対して毅然とした主張を行い、依頼者の権利保護のために誠心誠意尽力いたします。
不当解雇の被害にお悩みの方は、お早めにベリーベスト法律事務所 横須賀オフィスへご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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